
懇談会案内
掲載日:2023年 9月27日
会員各位
日新電機
第335回電気材料技術懇談会『若手研究発表会』のご案内<7月15日現地開催>
標記の件につきましては、関⻄電⼒( 株) 技術研究所にて開催することとなりました。詳細を下記に記載いたしますので、万障お繰り合わせの上、ご出席下さいますようお願い申し上げます。
1.日 時:2022年7月15日(金)13:30~17:00
13:30~14:50 若手研究発表会ショートプレゼンテーション
15:20~17:00 同ポスター発表
開催は現地のみといたします。ただし、状況により完全オンライン開催に切り替える可能性がございます。変更の場合は別途通知いたします。
2.場 所:関西電力株式会社技術研究所(尼崎市)
3.参加費: 無料
4.ディスカッションリーダー:大阪工業大学大学院工学研究科 宇戸 禎仁先生
日新電機株式会社 笹谷 幸生 氏
5. 若手研究発表会講演題目および講演者
(1) 絶縁材料における宇宙線帯電量評価のための陽子線エネルギー付与解析
石川 裕卓 (イシカワ ヒロタク) 氏(三菱電機株式会社)
[セールスポイント] パワエレ機器の使用高度上昇に伴い、高電圧機器が高宇宙線環境に曝されている。宇宙線は絶縁材料に帯電を引き起こし、機器の絶縁性能劣化に繋がる。本講演では、絶縁材料に対する宇宙線帯電影響評価の取組みを発表する。
(2) EV向けAC/AC無線充電システムの開発
大泉 朋久 (オオイズミ トモヒサ) 氏(株式会社ダイヘン)
[セールスポイント] AC入出力型の無線充電のニーズも高まっており、EVにおいてもAC充電をする必要がある。今回開発したシステムはAC/AC無線充電システムであり、DC/AC変換無しでEVに充電することを可能にした。
(3) 架空線の送電ロスを低減する高導電率耐熱アルミ電線
岡本 紳哉 (オカモト シンヤ) 氏(住友電気工業株式会社)
[セールスポイント] 電力損失低減のため、架空送電線用の耐熱アルミ合金線の高導電率化に取り組み、連続許容温度150℃の耐熱性、61%IACS以上の導電率を両立した新規合金線を開発した。合金線の開発技術、及びそれ利用した架空送電線の特長を紹介する。
(4) キャビテーションプラズマにおける入力エネルギーに及ぼす繰り返し周波数の影響
中原 健太(なかはら けんた) 氏(兵庫県立大学)
[セールスポイント] 近年、液中プラズマが注目されている。その中で、減圧沸騰現象を利用したキャビテーションプラズマを研究している。これまでに気泡量の変化を抑える条件を明らかにした。そこでこの条件の下、周波数特性を検討した。
(5) ケルビンプローブフォース顕微鏡を用いた有機/有機・無機/有機界面の電子物性評価
田渊 大地 (タブチ ダイチ) 氏(大阪大学)
[セールスポイント] 溶液塗布プロセスで作製した有機半導体薄膜の界面物性について、ケルビンプローブフォース顕微鏡を用いて調べた。無機材料や他の有機半導体材料との界面近傍における電位変化を見出した。
(6) 機械学習による量子ドット発光ダイオードの特性予測
木下喬之 (キノシタ タカユキ) 氏(大阪公立大学)
[セールスポイント] デバイスシミュレーションにより CdSe 量子ドットを発光層とする順構造量子ドット発光ダイオード(QLED)の発光効率を求めた。ニューラルネットワークによりQLEDの電子物性と発光効率の関係を機械学習させ、QLED特性を予測するモデルを構築した。
(7) 導電性配位高分子を用いたリチウムイオン二次電池の開発
西山 智貴 (ニシヤマ トモキ) 氏(近畿大学)
[セールスポイント] 本研究では電気伝導性と強誘電性を兼ね備えた多孔性配位高分子をリチウムイオン二次電池の正極材料に用いることで理論通りの容量を実現した。また、現在主流に用いられているLiCoO2の容量を上回り、機能複合型の配位高分子の有用性を示唆した。
(8) 溶液中での棒状凝集体形成に基づく塗布型π共役高分子配向薄膜の作製
蓑輪 裕(ミノワ ユウ) 氏(大阪大学)
[セールスポイント] 本研究では、塗布製膜速度100 mm/s以上の高速領域でのD-A型π共役高分子高配向薄膜の作製を達成した。これは凝集体の形成と分子配向現象を関連付ける先駆的な研究であり、印刷プロセスによる高性能電子デバイスの製造方法として期待できる。
(9) 固体誘電体上のマイクロギャップにおける絶縁破壊特性
比田 悠斗(ひだ ゆうと) 氏(兵庫県立大学)
[セールスポイント] 近年、電子機器の高集積化によって微小ギャップに発生する静電気放電による機器の故障が問題とされており、対策機器の開発が求められている。そこで固体誘電体上微小ギャップにおける絶縁破壊電圧特性を調査した。
(10) SiCにおける電子・正孔移動度の異方性の評価と解析
石川 諒弥 (イシカワ リョウヤ) 氏(京都大学)
[セールスポイント] SiC中の電子・正孔移動度の異方性を系統的に評価し、デバイス設計の土台となる基礎物性を提示した。さらに、その異方性が有効質量の異方性に由来することを、SiCのバンド構造を用いた解析を基に明らかにした。
(11) 糖類および果汁燃料電池の発電特性に関する研究
細越 海里 (ホソコシ カイリ) 氏(大阪工業大学)
[セールスポイント] 導電性高分子(PEDOT*PSS)、カーボンナノチューブ(SWCNT)とPtRuとの複合材料が、糖類燃料電池に高い触媒活性を示すことが判った。今回は果汁、清涼飲料水などの燃料電池特性について調べた。
(12) 自己組織化単分子膜処理によるNiOx層の正孔注入改善と塗布型発光デバイスに向けた検討
山田 真聖 (ヤマダ シンセイ) 氏(大阪大学)
[セールスポイント] 塗布プロセスによる発光素子の作製は実用化に有利である。本研究では、塗布プロセスによる無機半導体NiOx層の形成と発光素子への導入に向けた検討を行った。正孔輸送層として使用したNiOxに対して自己組織化単分子膜処理を行うことでキャリア注入特性や発光デバイスの素子特性の改善を確認した。
(13) エナメル線ツイストペアでのφ-q-n分布におけるPDIV過電圧率の影響
泉壮鴻 (イズミタケヒロ) 氏(兵庫県立大学)
[セールスポイント] 近年の産業用モータはより高電圧下で使用される。制御に用いられるインバータではサージが発生し、線間での部分放電と劣化が懸念される。そこで、φ-q-n分布を用いて部分放電の影響を評価、検討した。
